「米国臨床留学~米国の家庭医研修とは」

2004年11月20日

  • 講師:伊藤彰洋氏(Southern Illinois University Department of Family & Community Medicine)


    出雲市民病院の松下です。

    20日、講演会「米国臨床留学~米国の家庭医研修とは~」がおこなわれました。
    たくさんの医学生にも参加していただき、ありがとうございました。

    伊藤彰洋先生(南イリノイ大学)は出雲に3日間滞在し、医師や他職種の職員向けにも講演されたり院内を見学されたりしました。

    伊藤先生のお話のなかで一番印象に残ったことを3つあげます。
    ・ 当院規模の病院では、その役割、地域からのニーズ、日本の家庭医と専門医のバランスを考えても、内科医全員が家庭医でもおかしくないし、実際に部分的にはそういう機能を果たしている
    ・ アメリカの家庭医は地域病院の入院医療もほとんどの問題に対応できるくらいの知識・技術をもっており、入院医療を支えるうえでも家庭医の存在は重要。とくに当院のような病院に入院されている患者さんには、治療と同時に心理社会的な問題へのアプローチが大切である
    ・ 小児科領域のトレーニングを積み、小児科を標榜したらどうか。実現すれば「年齢・性別・疾患・臓器…にとらわれない」という目的にかなり近づくことができる

    すみません。うちの病院のことばかりで。
    でも、家庭医療の普及と出雲市民病院の役割-家庭医を養成し、家庭医療を実践することが当院でどのように有効かを外部の先生にどう評価されるかは一つの関心事でした。

    伊藤先生は他職種向けの講演会でも、日本での家庭医養成の重要性を説いたうえで、「出雲家庭医療学センターは家庭医養成をめざした日本で4番目の家庭医療学センターです。私が出雲にきた目的はそれを応援するためでもあるのです」と身に余るご紹介をいただきました。
    胸がじーんとしました。(メーリング・リストより)



    〈参加者の感想〉
    ○…大変興味深かった。日本の研修制度が良くないのは医師の人数が足りない事から発していると思っていた。現在のアメリカの具体的な話が聞けて良かった。
    ○…非常に面白かったです。日本と米国との違いとか、普段聞くことのできない話が多くあり、とても刺激されました。Thank you for your great lecture!
    ○…家庭医というのも1つの専門医として考えられているのだとわかりました。一生懸命勉強しようと思います。
    ○…今まで持っていた家庭医のイメージがより具体的なものになってよかったです。これから研修病院の選択をすることになりますが、今日の話を参考にしたいと思いました。
    ○…アメリカでの研修の長所・短所が若干つかめたので、自分の研修に生かしていければと思いました。留学の意志があるわけではないですが、医師になったら一度見に行ってみたいと思いました。英語勉強しなきゃなぁ…。
    ○…家庭医の研修内容が具体的に分かって良かったと思います。良いところだけでなく、デメリット面、経済的な面も話され、多面的に考えられました。
    ○… 年齢の近い先生の講演で、興味深い話が聞けて良かったです。先日、某病院の院長先生とお話する機会がありました。学生が研修病院を選ぶ時に考慮するポイン トを聞かれて、医師の労働時間を挙げました。その時に「医師は患者さんを受け持っていて、患者さんの具合はいつでも悪くなるのだから労働時間を決めること はできない」と言われました。アメリカでは日本と比べて研修医の人権が尊重されているなと感じました。

カテゴリ:講演会・学習会

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