ファシリテーション・セミナー「会議の不満を一気に解消」

2007年08月30日

  • みなさん、こんばんわ。大曲の奥野です。
    昨日、出雲市民病院の会議室でファシリテーション・セミナーを開催しました。
    ワークショップは、会議運営者視点で会議の問題点を洗い出すグループ(奥野がファシリテート)と、会議参加者の視点で問題点を洗い出すグループ(渡部さんがファシリテート)に分かれて行いました。
      ■会議の本質に迫ったワークショップ1
    (中略)しっかり頭の準備体操をしてから、いよいよ本番のブレストにとりかかりました。ここでは、意見が出やすいように、「運営者として会議に対して不満に思うこと」というテーマ設定にしました。
    人 間って不思議なもので、いいところはなかなか見えませんが、悪いところはいくらでも見えてしまうものですよね? こういう方法を逆ブレストとか、欠点列挙 法といいます。ここで思いっきり日頃の鬱憤を発散していただきました。大体予想通り5分のブレストで、おおよそ出し切った感じです。例えば…「物事が決ま らない」「電話で会議が中断する」「話題がそれる」などの意見が30くらい出てきました。
    それから、出てきた意見を「時間関係」「参加者の姿勢・態度関係」などの分類で整理しました。
    次に、それぞれの関連性を見つける作業です。一つ一つの意見に対して、発言者の意図確認や、「その問題の原因は何?」「その問題が生じると結果として何が問題になるの?」と、ロジックを訊ねる質問を繰り返しながら、だんだん問題がツリー状に整理されていきました。
    そして、ツリーの最上階、すなわち、いろんな問題が生じた結果、会議で出てくる悪影響の本質にたどりつきました。それは、「時間のロス」「良い意見が埋もれる」「決定事項が実行されない」という3点セットでした。
    ワークショップの最後には、互いの議論の成果、すなわち参加者視点の不満と運営者視点の不満を発表し合いました。
      ■出てきた解決策をみんなで採点!一気に決着を付けたワークショップ2
    思いっきり鬱憤を発散させ、そして会議の本質に迫った後は解決策を考える ワークショップです。実は、ブレストでの鬱憤の発散、本質に迫るまで執着した構造化議論は、その後の解決策を考えるためには必須のプロセスなのです。議論 の蒸し返しが起こらないのです。そして吐きまくったあとは、自然と解決策に目が向くのです。出される意見も、より本質を突いたものになるのです。
    ワー クショップ2は、時間短縮のため、発言者には自分で意見をタックシールに書いて、ホワイトボードに貼ってもらうことにしました。本来なら、ファシリテー ターが、発言者とコミュニケーションを取りながら、皆の監視のもとホワイトボードに書き込むことで、板書の公正さが保たれるのですが、それをすっ飛ばし て、短時間で数を出すことを優先したのです。しかし、皆の誤解がないように、発言者とはしっかりコミュニケーションをとり、書く内容を確定していきまし た。
    いくつか勢いよく意見が出た後、意見の出方が鈍ったと見た私は「では、時間軸に沿って考えてみましょう。会議の前に出来る解決策は? 会議当 日に出来る解決策は? 会議の後にできる解決策は?」と、我ながら見事なスルーパスを出すことに成功しました。これで意見が、再び加速して、出された意見 は全部で16個でした。
    時間が残りわずかになった時、一気に議論を収束させにかかりました。ここで使ったのが「重み付き投票」という方法 です。赤(5点)、青(3点)、黄(1点)のカラーシールを用意し、1人に3色、1枚ずつ渡して、出された意見にシールを貼ってもらいました。これなら、 沢山出された意見の中から一気に決着を付けることができます。
    投票の結果は以下の通りです。
    ①事前に参加者に協議のテーマを伝えておき、当日までに意見を用意してきてもらう
    ②誰がいつまでに何をするかを決めて会議を終える
    ③意見が言いやすいように少人数のグループワークをする
    ④雰囲気を良くするためにお茶とお菓子を用意する
    最後に、奥野班、渡部班の上位3個を互いに発表し、ワークショップ終了としました。
      最後は私が簡単なレクチャーをして、全ての企画が終了となりました。(中略)
    ■学んだこと
    ・会議は準備が命だと、深く、深く、実感した。
    ・当日は、コミュニケーション能力とロジカル思考力が勝負を決めると実感した。(メーリング・リストより)



    渡部満@大曲診療所/ICFMです。
    先日のファシリテーション・セミナーの報告をします。

      私の班は「会議参加者の視点で問題点を洗い出すグループ」でしたので、ブレストのテーマを『会議参加者として、今の会議のここが不満だ!』と設定しました。
    メンバーから28個の不満が出され、それをカテゴリーで分けてみると、以下のような問題が分かりました。
    1、会議の目的とゴールがはっきりしていない
    2、会議内にやらなくてもいいこと(だらだらした報告、資料の読み合わせなど)がやられている
    3、会議時間に対する意識が低い
    4、議題に対してあまり関係のない人が参加させられている
    5、開催場所やお茶の有無など、物理的な問題に気が配られていない
    6、司会者が参加者の行動や場の雰囲気をコントロールできていない(私語、論点の脱線など)
    1から5については、会議の主催者が事前に介入できる内容であり、「会議の問題の80%は、会議が始まる前に決まっている」ことに気付きました。

      次に『THE 解決策~次の会議から私たちはこれを行います』というテーマでWSを行いました。
    以下が、優先順位の高かった解決策の3項目です。
    1、会議の最後には必ず決定事項を確認する
    2、集中力を高めるため、1回あたりの会議の時間を短くする
    3、会議が始まる前に、ゴール(どこまで何を決めるのか)の設定を明確にする

    最後に「リフレクション」です。
    ①気持ち・感情
    ・久しぶりに取り組んだ企画であり、大変だったけど楽しかったです
    ・構想の段階からしっかり準備して取り組めたので、完成度の高い企画になったと思います。実は奥野先生とこの1ヶ月で計10時間以上の打合せを行い、2人で当日のシュミレーションを行ったりしました
    ・特に参加組織をしてないのに、多くの方に参加していただき嬉しかったです
    ・学習したことはアウトプットすることで、より深い学びになると感じました
    ②達成されたこと
    ・学んだスキルをたくさん使えました
    ・この1ヶ月でファシリテーションに関する書籍を3冊読みました
    ③改善すべき事
    ・ロジカルシンキングが弱いことを再認識しました
    ・喋りすぎてしまうことがありました(メーリング・リストより)

カテゴリ:講演会・学習会

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