講演会「医学教育の現状について」
2010年11月09日
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- 11月9日、藤崎和彦先生(岐阜大学教授)を講師にお招きし、講演会「医学教育の現状について」を開催しました。
藤崎先生ははじめに、医学教育の歴史を振り返り、学習方略が受動的なものから能動的なものへと変わってきていること、日本の医学教育の現状は、アメリカやイギリスに比べ非常に遅れていることなどを話されました。
それから、PBLチュートリアル(PBL=Problem-Based Learning,小集団で現実的な事例をもとに展開する学習法)は、非常に学習効果が高いことを、学習経験モデル、デールの円錐を用いて示されました。 岐阜大学医学部でも、学生の学習意欲が上がり、国試合格率がアップするなど、成果が出ているそうです。
また、Learning Processの話では、学生が目標に到達しない場合は、学生に問題があるのではなく、学習の目標、方略、評価のいずれかに問題があり、それを再検討する必要があると強調されました。
PBLチュートリアルがうまく機能しないのは「成人教育理論」に対する理解不足のためと思われます。今後、さらに医学教育に基づいたカリキュラム改革が求められます。
〈21世紀型プロフェッショナリズム〉
○高い専門的能力:medical excellence
生涯学習、医療安全、EBM
○人間性:humanism
心理社会的文脈に対する配慮、行動科学、コミュニケーション、QOL
○社会性:人権と社会的アカウンタビリティー
人権擁護、インフォームドコンセント、医療倫理、患者の権利、民主的ルールの遵守、医事法学
○利他主義:利己主義、身内主義の否定
カテゴリ:講演会・学習会